| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-124 (Poster presentation)
再生可能エネルギーの一つとして近年注目されている微生物燃料電池は、生物の代謝活動を利用して、電気を発生させる装置であり、発電効率は、微生物が利用できる有機物の種類に左右される。発電効率を向上させるため、糖の種類の電流量への影響を明らかにすることを目的とした。泥の中の微生物を利用して発電する実験キットとしてマッドワットを用い、加える糖の種類によって電流量がどのように変化するのかを調べた。
3種類の糖を比較した結果、糖の構造や分解のしやすさが発電の大きさと持続性の両方に影響することが分かった。また、土の中にいる微生物を環境DNAの手法により解析した。土は七尾市の中心部を流れる御祓川の土を用いた。一日のうち8:00,13:00,16:30の計3回電流を測定することを6日間行った。糖はグルコース、マルトース、セルロースを添加した。また、細菌の増殖と糖の種類、電流量の関係を見るために、ジオバクター属とシュワネラ属を対象としたPCRを行った。実験の結果、グルコースを加えた土では2~3日目に最大電流量を示したが以降は減少した。マルトースを加えた土では初期に高い電流量を示し、4日目以降に緩やかに減少した。セルロースを加えた土では6日間を通して他に比べ高い電流量を持続した。単糖であるグルコースはほかの糖に比べ分解しやすいため、短期間で高い電流量を示す傾向があると考えられる。しかしマルトースやセルロースでも高い電流量が得られたことから、電流量の差は単に分解のしやすさだけでは説明できなかった。これは、分解に時間がかかり、測定日の後半にかけても微生物から電子が放出され、電気エネルギーに変換できたからだと考えられる。
今回PCRの結果と発電量の間には関係が見られなかった。今後PCRのサイクル数を変える、リアルタイムPCRを行うなど改善を行う必要があると考えられる。