| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(口頭発表) Q02-05 (Oral presentation)
生物多様性保全への社会的関心が高まる昨今において、魚類多様性の適切な評価は、水産資源の持続的管理や生態系サービスの保全に不可欠である。従来の捕獲や目視による群集観測では定量的な観測が可能だが、調査コストが高く高頻度観測は困難である。一方、近年開発された環境DNA法は網羅的で高頻度な観測が可能だが、生物多様性評価に重要な個体数やバイオマスの定量評価に関しては発展途上である。本研究では、深層学習と三次元再構成を組み合わせた画像解析手法によって、自動で各種の個体数とバイオマスを定量する手法を開発した。自作の水中ステレオカメラを利用し、沖縄本島の一地点において日中毎時10分間、計20日間動画を記録した。得られた動画に対して開発した解析を施すことで、計200時間点における各種の個体数・バイオマスを推定した。種数・総個体数・総バイオマスの関係は出現する魚種によって大きく変化していた。また、水温、クロロフィル濃度、濁度、流れとの相関を調べたところ、種数・総個体数・総バイオマスは濁度や乱流の強さと有意に負の相関を有することが明らかになった。本手法によって、これまで困難であった魚類群集変動の高頻度評価が可能になり、将来的な多様性保全への貢献が期待される。