| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


シンポジウム S01-1  (Presentation in Symposium)

デジタル・バイオスフェアで学んだこと
What we learned from the digital-biosphere project

*伊藤昭彦(東京大学)
*Akihiko ITO(Univ. Tokyo)

「デジタルバイオスフェア(通称デジバイ)」プロジェクトは2026年3月に公式な終了を迎える。7件の計画研究、合計45件の公募研究で構成された本プロジェクトは、登録メンバーだけで70余名を数え、学生さんや技術支援さらには事務補助を加えれば更に多くの人員で実施された。対象範囲は、モデルや衛星観測が全球をカバーすることはもちろん、現地観測に限ってもアジア太平洋地域の赤道熱帯から高緯度域を含み、国内で実施されたものとしては希な広域性を有していた。一方で、本デジバイプロジェクトにはゲノム解析や環境DNAを扱う研究者も加わり、ミクロ/短期からマクロ/長期までの時空間スケール幅が大きいという特徴もあった。必然的に多分野から構成されることになった参画者グループの有機的連携を醸成するため、本プロジェクトでは観測キャンペーンと呼ばれる合宿形式イベントを複数回実施した。これらの活動は、新たな学問分野創出に向けた研究シーズを提供し、若手研究者の人材育成を促すという研究領域の目的達成に大きく貢献したと言える。一方で、極めて幅広い分野から得られた知見を「生物圏モデル(デジタルバイオスフェア)」に統合化するという本プロジェクトの野心的目標の達成は道半ばであり、学問分野とともにモデル開発を継続する必要があることは明白である。シンポジウム冒頭の本発表では、デジバイプロジェクトの到達点と反省点(今後の課題、後継プロジェクトへの期待を込めて)について総括する。


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