| | 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
シンポジウム S01-4 (Presentation in Symposium)
地球環境変動に対する生物圏機能の応答を理解するためには、生態系の構造・機能・多様性に関する高解像度の地理空間情報が不可欠である。従来の生物圏モデルは、陸域および海洋生態系を少数の機能型に単純化して扱ってきたが、実際の生物群集の多様性を十分に反映できていない。本研究では、森林および沿岸海洋生態系を対象とし、航空機・衛星搭載ハイパースペクトル観測やライダー観測などの多次元リモートセンシングデータを統合的に活用して、生態系構造や光合成機能、生物群集多様性の広域推定を試み、生物圏の統合的理解およびデジタルバイオスフィアモデルの高度化に資することを目的とした。沿岸域では、東京湾・相模湾および北部タイランド湾を中心に、船舶観測、航空機観測、衛星データ解析を実施した。特に赤潮などの有害藻類ブルーム(HAB)に着目し、その検出アルゴリズムの高度化を行うとともに、準リアルタイムで赤潮を監視可能な赤潮検出・公開システム(A-COP)を開発した。森林域では、苫小牧研究林や北米の北方林を対象に、葉の色素・形質データを取得し、現場の分光データやUAVによるハイパースペクトル画像との比較解析を通じて森林機能の評価を行った。また、観測データを森林光環境モデルに導入し、景観スケールでの光環境の詳細な再現に成功した。さらに、衛星データを用いて広域の総光合成量を推定し、モデル検証にも展開した。本プロジェクトにより、UAVを含む新たなリモートセンシング技術の応用が進展し、地域スケールから広域スケールに至る自然環境解析の多面的な知見が得られた。