| | 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
シンポジウム S01-6 (Presentation in Symposium)
植物は光合成によって大気中の二酸化炭素を吸収し、分解されにくい有機物を合成する「炭素固定能力」を有している。この炭素固定能力を理解することは、急激に変化する現代の地球環境を正確に予測・評価する上で不可欠である。しかし、約27万種に及ぶ植物それぞれについて炭素固定能力を直接測定することは、現実的に困難である。
そこで本研究では、陸上植物の約90%を占める被子植物を対象に、ゲノム情報から炭素固定能力を予測する新たな手法の開発に取り組んだ。炭素固定能力の指標としては、遺伝要因によって強く決定される形質値である「乾燥重量あたりの光合成速度(Amass)」および「葉面積あたり葉重(LMA)」を利用した。これら2種類の形質値を、植物種ごとのゲノム中における遺伝子構成の違いから予測する線形回帰モデルを構築した。ゲノム情報として、89種のC3植物を対象に遺伝子ファミリーを網羅的に構築し、そのうち全種間で保存的な2472ファミリーに着目して解析を行った。その結果、AmassおよびLMAのいずれにおいても、高い精度で評価値を推定可能な予測モデルを構築することに成功した。