| | 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
シンポジウム S04-4 (Presentation in Symposium)
近年、わが国では、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)の国内希少野生動植物種(国内種)の数が大幅に増加している。一方で保護増殖事業等の予算の増加は限定的である。限られた予算をより有効に活用して戦略的に生物多様性の保全を進めるために必要な、どの国内種に対してどの程度の予算を配分するかを決める優先順位付けの方策の検討が、重要な課題となっている。この課題の検討には、わが国の自然と社会の特性・状況に合った対象種の選定、異なる種間でも事業の必要性などの比較がしやすい目標設定や成果の公表、事業の費用対効果、優先順位付けの手続きの透明化、地方自治体やNGOとの連携と役割分担など、多くのことを考慮する必要があると考えられる。
他方、海外でも、このような課題に対する議論は、多くの国や地域で行われており、わが国に参考となる事例も多い。
本講演では、今後、わが国でも議論されることが期待される、戦略的な予算の優先順位付けの方策の検討に資するため、わが国の種の保存法における保全施策の優先順位付けの考え方を紹介した上で、米国、カナダ、韓国、オーストラリア、同国ニューサウスウェールズ州の絶滅危惧種の保全事業の優先順位付けの事例を紹介する。