| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


シンポジウム S05-6  (Presentation in Symposium)

なぜ魚は種間摂餌連合を形成するのか?野外観察から明らかにするその要因
Why fish feed together with other species? Field observation reveals the factors of the nuclear-follower foraging association

*川坂健人(新潟大学)
*Kento KAWASAKA(Niigata Univ.)

 種間摂餌連合とは、異なる種がともに採餌することで利益を得る関係をいう。これには、複数種が協力して獲物を探す共同ハンティングや、自ら探餌を行う種(核種)と、それに随伴して探餌によって生じた餌を利用する種(追従種)による摂餌追従といった関係が含まれる。摂餌追従は、海洋島のサンゴ礁や熱帯雨林の小河川に生息するベントス食性の魚類で数多く報告されている。一方、日本での報告は愛媛県御荘での研究例を除き限られている。また、摂餌追従は一般に知られた概念ではないため、レクリエーションダイバーによる目撃例はあるものの、逸話として広く共有されることもない。そのため、中緯度温帯域での摂餌追従の実態は明らかでない。
 本研究は、2024年に佐渡島虫崎での潜水調査中にコブダイとブリの摂餌追従を偶然目撃したことを契機に開始したものである。これまでのところコブダイとブリによる摂餌追従の観察はその1例にとどまっているが、キュウセンが複数のベントス食性魚類を核種とし、頻繁に頻繁に摂餌追従を行うことを確認した。また、摂餌連合が形成されやすい核種の摂餌様式や環境条件についても一定の傾向が認められた。本発表ではこれまで得られた知見を報告し、先行研究との共通点について確認するとともに、飼育下での検証を含めた今後の展望について議論する。


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