| | 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
シンポジウム S08-1 (Presentation in Symposium)
2022年12月に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)第二部において「愛知目標」の後継となる新たな世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組(以下、新枠組)」が採択された。我が国では、これを踏まえ、2023年3月に「生物多様性国家戦略2023–2030」を策定(閣議決定)し、2030年までの短期目標として、生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せる「2030年ネイチャーポジティブ」を掲げている。同戦略では、5つの基本戦略の下、15の状態目標と25の行動目標、計40の国別目標が設定されている。
2025年2月に開催された生物多様性条約COP16再開会合では、新枠組の世界的な達成状況を把握・評価するため、計254指標からなるモニタリング枠組やレビューの仕組み等について合意がなされた。このレビューの一環として、各締約国は、新枠組に基づく国家戦略の実施状況を、合意されたモニタリング枠組に沿って評価し、2026年2月末までに第7回国別報告書として提出することが求められている。
我が国では、第7回国別報告書の作成および国家戦略中間評価にあたり、特に状態目標の評価に関して、2020年を基準年とする短期トレンドを総合的に評価した「生物多様性及び生態系サービスに関する総合評価2028(JBO4:Japan Biodiversity Outlook 4)に向けた中間提言」(「JBO4 中間提言」)を参照情報として活用している。
本発表は、こうした生物多様性を巡る国際的な合意形成や国内制度対応の経緯、ならびに評価・報告に関する行政的プロセスの紹介を主眼とし、併せて現在とりまとめが進められている第7回国別報告書および国家戦略中間評価の概要について報告する。