| | 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
シンポジウム S08-2 (Presentation in Symposium)
日本の生物多様性及び生態系サービスに関する総合評価2028(JBO4)に向けた中間提言が2025年10月に公表された。「生物多様性及び生態系サービスに関する総合評価(JBO: Japan Biodiversity Outlook)」は、生態系と生物多様性の状態やそれらに関する取組みにおける日本の現在地を明らかにし、今後取り組むべき課題を示す役割を担っており、生態学者を含む有識者検討会が検討会事務局とともに作成し公表されている。JBO4中間提言では、2030年ネイチャーポジティブの実現に向けた見通しや課題、国家戦略の状態目標の達成に向けた状況に関して、中間レビューを行なっている。生物多様性国家戦略2023-2030に定められた5つの基本戦略に関する計15の状態目標を対象に、2020年を基準年としたここ数年間の短期的な傾向を評価した結果、前向きな兆しが一部あるものの、生態系と生物多様性の損失傾向を止め反転させるには至っていないと考えられる評価結果であった。2030年ネイチャーポジティブの実現に向けて、あらゆる主体による多様な取組みを継続し強化していくことが必要であるとも指摘している。また、今回の総合評価では、定量的・客観的に評価するための手法の高度化が実現した。一方で、評価することができなかった状態目標があるなど、総合評価に必要な指標やそのデータに不足があることも明らかとなった。指標やそのデータの充実化などには、生態学をはじめとする学術研究等のさらなる貢献が求められると指摘している。本講演では、JBO4中間提言の概要とともに、生態学など学術研究に期待が寄せられている具体的な課題について紹介する。