| | 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
シンポジウム S08-4 (Presentation in Symposium)
2023年度より開始した環境研究総合推進費の戦略的研究開発課題(S-21)では、既存の気候変動対策のための統合評価モデル、これまでに蓄積されてきた生物多様性の損失評価や生態系サービスの将来予測等に関する研究成果を基に、生物多様性、気候変動及び他の社会経済的要因を統合的に扱い、対策の効果を定量的に評価するための統合評価モデルを構築し、それを国スケール及び地域スケール(佐渡、南三陸、大阪)で適用してきた。S-21プロジェクトは、多分野の研究者約140名による研究が進められている。これまでの生物多様性の損失評価や生態系サービスの将来予測等に関する研究成果を基に、生物多様性、気候変動に関する直接要因だけでなく、他の社会経済的要因や人々の価値観・行動変容を間接要因として統合的に扱い、対策の効果を定量的に評価するための統合評価モデル構築を全国スケール及び地域スケールでそれぞれ進めてきた。将来シナリオ作成は、IPBESが開発したNature Futures Framework (NFF)を踏まえた複数の将来シナリオを全国スケールと地域スケールでそれぞれ作成した。世界生物多様性枠組みの30by30目標に基づく生物多様性保全と1.5℃目標と整合するCO2排出削減を同時達成するための再生可能エネルギー導入戦略を検討した。また、シナリオ分析の基準年(2020年)の土地利用データをもとに、生物多様性対策適地(OECM設定、管理維持、自然再生)、気候変動対策適地(営農型太陽光発電及び陸上風力の導入適地)、自然災害に対する脆弱性・頑健性について空間解像度1kmのデータを作成した。これらを重ね合わせることで、生物多様性対策、気候変動対策、自然災害が競合・重複する場所や対策間の競合の少ない区域の特定が可能になった。