| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


シンポジウム S13-1  (Presentation in Symposium)

30年後の東日本大震災帰還困難区域を考える
Imagining the Fukushima Exclusion Zone, Three Decades from now

*村上正志(千葉大学), 大手信人(京都大学)
*Masashi MURAKAMI(Chiba University), Nobuto OHTE(Kyoto University)

東日本大震災から14年が経過したが、福島第一原発事故に伴って設定された帰還困難区域の将来像はいまだ不透明なままである。特に当該区域の大部分を占める森林地帯は広大であり、全域的な除染の実施が困難であることから、長期的な保全・管理に向けた対策の確立は大きな課題となっている。本企画では、将来の土地利用を見据える上で不可欠となる「森林内における放射性物質の動態理解」に主眼を置く。具体的には、放射性セシウムを指標とした物質循環の解明に向けた最新のモニタリング技術を紹介し、現地の現状を共有するとともに、これら地域の森林生態系の未来について皆さんと考えたい。
本シンポジウムでは、まず帰還困難区域の現状を紹介し、また、物質循環を把握することの重要性と背景を説明する【村上】。続いて、福島の森林で進行中の放射性物質の観測に関するプロジェクト、特にドローンの活用について紹介する。セシウムを計測できる小型センサーを用いた計測方法【田中】、森林内での自律的なドローン開発【野田】、そして、林内を飛行するドローンLiDARを使った森林の3次元構造解析手法【山田】まで、物質循環の解明に貢献する最先端のモニタリング技術を紹介する。発表を通じて、ドローンを用いたモニタリング技術が帰還困難区域の将来像を考える上でどのような意義を持つのかについて、議論を深めたい。


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