| | 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
シンポジウム S13-4 (Presentation in Symposium)
低木や草本などの下層植生が繁茂する森林内は人による踏査の労働強度を上昇させるだけでなく、LiDAR計測や画像を使った森林構造のパラメーター推定において下層植生自体が遮蔽物となりノイズを発生させるためその推定精度を著しく低下させる。現在開発中の森林内部を飛行するドローン(林内ドローン)では下層植生の影響を受けない林内上空を飛行するため、周囲の視認性を保持したLiDAR計測および画像取得を可能とするだけでなく、林内の移動に関する影響にも対応できる。
福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性物質は事故から15年が経過し放射性セシウムの放射能は物理学的減衰が進行しているが、その分布は土地利用によって顕著に異なり、依然として森林内の特に鉱質土壌に集中していると報告される。現在汚染地域の森林整備・林産業の再開のため林内作業の基準が議論されているが、いずれにしても高線量地域では林内作業時間には制約があり抜本的な省力化が必要である。
本報告ではまず文献整理から明らかにした県内の放射能汚染地域における森林整備の諸課題を取り上げる。さらに林内ドローンに搭載したLiDAR計測器を使った森林構造の解析手法を取り上げる。開発中の林内ドローンを実際に使用したケーススタディとして時間あたりの計測樹木本数、下層植生の有無を条件とした場合の樹木の3次元データの取得状況に関する研究を報告する。また機体スペックおよびスペックから想定される森林構造パラメーター推定の枠組みの展望も取り上げる。最後に現状の研究結果の内容を取りまとめ林内ドローンを使った森林構造の解析手法の可能性を提示する。