| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


シンポジウム S15-3  (Presentation in Symposium)

ヒストン修飾を介した植物における防御の季節制御
Seasonal control of defense readiness via histone modification in plants

*本庄三恵(京都大学), 小澤理香(京都大学), 西尾治幾(京都大学, 滋賀大学), 松井健二(山口大学), 髙林純示(京都大学), 工藤洋(京都大学)
*Mie N. HONJO(Kyoto Univ.), Rika OZAWA(Kyoto Univ.), Haruki NISHIO(Kyoto Univ., Shiga Univ.), Kenji MATSUI(Yamaguchi Univ.), Junji TAKABAYASHI(Kyoto Univ.), Hiroshi KUDOH(Kyoto Univ.)

動くことができない植物は、凍結や乾燥などの非生物ストレス、および病食害による生物的ストレスに対抗するため、高度な防御機構を発達させてきた。しかし、防御形質の維持にはコストがかかるため、植物は常に発現する構成的防御に加え、事前の刺激を受けて防御が誘導される誘導防御を有する。誘導防御では、先行刺激を記憶し再度の刺激に対して迅速かつ強力に応答するプライミングという機構が多くの植物で報告されている。
プライミングの分子機構に関しては、ヒストンアセチル化等のエピジェネティックな修飾が遺伝子発現レベルでの制御に関与する例が報告されている。自然環境下で生育する多年生植物において、ストレスや食害リスクは季節に伴い大きく変動するため、これら防御応答の活性レベルも季節的に制御されている可能性が考えられる。
本発表では、防御遺伝子が季節制御されているのかを、遺伝子応答の制御に関与する抑制型ヒストン修飾H3K27me3と活性型ヒストン修飾H3K4me3に着目し、研究紹介する。多年生常緑草本ハクサンハタザオ(Arabidopsis halleri subsp. gemmifera)を用いた季節トランスクリプトームやヒストン修飾の解析から、防御に対する長期クロマチン記憶としてのH3K27me3の役割について議論したい。


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