| | 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
シンポジウム S20-4 (Presentation in Symposium)
人口減少や都市化の進展により,自然と人の関係は居住地を基盤に再編されつつある。しかし,進学や就職を機に地域を離れて暮らす出身者(他出子)は,物理的には生活圏を移しながらも,故郷の自然や地域社会と心理的・象徴的につながり続けている可能性がある。本発表では,地域を離れて暮らす出身者(他出子)を対象としたWebアンケートのデータを用い,出身地域との「心の距離」に着目する。具体的には,物理的距離や転出後の経過年数と,故郷の自然環境への愛着や責任感,将来的な関与意図との関連を分析する。さらに,これらの心理的要因が地域との再接続や支援行動の可能性とどのように結びつくのかを検討する。
本研究は,居住者のみを前提とした従来の地域生態系の担い手像を再考し,生活圏を越えて広がる関係性を含んだ社会-生態システムの理解に資するものである。離れていてもつながり続ける人々の存在を視野に入れ,自然と人が調和する生活圏の再構築に向けての議論を通じて,地域の持続可能性を支える新たな視点を探りたい。