| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


シンポジウム S23-1  (Presentation in Symposium)

ランドスケープアプローチの意義と課題:流域スケールのNbSに向けて
The Significance and Challenges of the Landscape Approach: Toward Watershed-scale Nature-based Solutions

*西廣淳(国立環境研究所)
*JUN NISHIHIRO(NIES)

気候変動、自然資本の損失、人口減少などを背景に、複数の社会課題に同時解決をもたらす自然を活用した解決策(Nature-based Solutions; NbS)への関心が高まっている。NbSの効果的な推進のためには、課題に対して十分な空間スケールで、また社会システムと生態系の両方を視野に入れた計画や実装、すなわちランドスケープアプローチの有効性が指摘されている。
環境研究総合推進費による研究プロジェクト「気候変動適応と緩和に貢献するNbS―流域スケールでの研究―(2023~2025年度)」では、印旛沼流域(千葉県)を主要なフィールドとして、気候変動を踏まえた生物多様性保全、水質管理、水害リスク軽減、炭素吸収と隔離、メタン発生抑制などの観点から、NbSの実践的研究を進めてきた。本シンポジウムでは、基礎から社会実装に及ぶ一連の研究成果とそこで明らかになった課題を共有し、今後のNbSやグリーンインフラのあり方を議論する。
導入にあたる本講演では、関連する研究プロジェクトを含む全体的なフレームワークを解説するとともに、ランドスケープアプローチの仮説的な実践手順を示す。特に、適切な空間スケールの捉え方、生態系サービス活用と生物多様性保全のシナジーやトレードオフの可視化、シナジーを強化する生態系管理の方策について解説する。


日本生態学会