| | 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
自由集会 W03-1 (Workshop)
甲虫の体は硬いクチクラで覆われており、捕食者に対する物理的防御としてはたらくと考えられてきたが、実証例はきわめて少ない。本研究では、コガネムシ科の硬い外骨格が鳥類からの捕食防御として機能するかを調べた。まず、硬さにかかわるいくつかのパラメータをさまざまな種で調べたところ、ハナムグリ亜科がとりわけ硬い外骨格を持つことが明らかになった。室内でヒナから飼育したウズラに対して、ハナムグリ亜科と他の比較的柔らかい種を与えたところ、どの種もウズラから攻撃を受けたが、ハナムグリ亜科は他種よりも生存率が高かった。しかし、鞘翅を除去したハナムグリ亜科を与えたところ、すべての個体が捕食を受けて死亡した。また、野生のムクドリに対して、さまざまなコガネムシ科の新鮮な死体や生きた個体を与えたところ、柔らかい種はつねに捕食を受けたのに対し、ハナムグリ亜科はほとんどの場合無視された。さらに、ハナムグリ亜科の新鮮な死体の鞘翅、前胸、頭部を除去し、まったく異なる外見に変化させたところ、それらはすぐに捕食された。実験に用いた昆虫種はムクドリと同所的に生息しており、ムクドリは硬い種の外見を学習ずみであった可能性が高い。以上の結果から、甲虫の硬い外骨格が鳥類からの捕食防御として機能することが初めて示された。