| | 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
自由集会 W05-4 (Workshop)
気候変動予測データは、陸域の生態系機能の現状診断や将来予測を行う上で欠かせない基盤情報である。しかし、そのデータ構造には特有の複雑さがあり、生態系分野で広く活用する際の障壁となっている。具体的には、(1)1ファイルが時系列ではなく、格子状の面(空間)データとして格納されていること、(2)NetCDF 形式に代表されるバイナリデータで提供されること、(3)複数の気候モデルや実験系が存在し、どの出力を利用すべきか判断が難しいこと、などが挙げられる。地点ベースの観測や比較的単純な表形式データを扱うことが多い生態学者にとって、こうした複雑な多次元データ構造をもつ気候データの取り扱いは馴染みにくい側面があると考えられる。本講演では、CMIP6をベースにした日本域バイアス補正気候シナリオデータ(NIES2020)をはじめとする代表的な気候変動予測データの構造・特徴を概説するとともに、陸域生態系を対象とした物質循環研究において、これらのデータがどのように活用されているのかを具体例を交えて紹介する。気候変動が生態系機能に与える影響の評価において、気候変動予測データが担う役割をあらためて整理し、生態学者が気候変動予測データをより使いやすくするための視点やアプローチについても議論したい。