| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


自由集会 W13-3  (Workshop)

人為撹乱に対する生理応答の解明:非侵襲的評価手法によるストレス評価と実践
Physiological responses to anthropogenic disturbances: non-invasive assessment and application for stress evaluation

*嶌本樹(日獣大), 秦彩夏(農研機構)
*Tatsuki SHIMAMOTO(NVLU), Ayaka HATA(NARO)

人為撹乱に対する生物応答の解明は様々なアプローチによって行われてきた。その中でも行動や生活史、個体数などに着目されてきたが、近年では分析手技の発展により生理学的手法を用いた研究も多くなってきた。特に、ストレスは代表的な生理応答であり、副腎から分泌されるグルココルチコイドの一種であるコルチゾールやコルチコステロンといったホルモンがよく測定されている。従来、これらのホルモンを測定するためには採血が必要であったが、現在では非侵襲的に採取可能な糞や体毛などからも測定できるようになった。これにより、野外調査を基盤とする生態学研究においてもストレス評価が広く導入されるようになった。一方で、生理学と生態学の統合分野が急速に発展する中、ストレス反応の一貫性の乏しさや文脈依存性といった課題に多くの研究者が直面している。自然環境に住む野生動物においてストレスとは何を指すのか、ストレスの変化は何を意味するのか、そしてどのように測定するべきなのかについて、現在も活発な議論が続いている。本発表では、野生動物におけるストレス研究に関するこれまでの知見を整理するとともに、発表者がこれまで取り組んできた野生動物のストレス反応や生理学的手法に関する研究を紹介する。


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