| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


自由集会 W20-4  (Workshop)

流域管理における現場課題とモデリング
Practical challenges and modeling for integrated river basin management

*今井洋太(神戸高専), 伊崎実那(兵庫県立大学, 豊岡市役所)
*Yota IMAI(KCCT), Mina IZAKI(Univ. of Hyogo, Toyooka City)

近年,気候変動の影響により短時間強雨や豪雨災害が頻発・激甚化しており,流域全体で水害リスクを低減させる流域治水への転換が進められている.その中でも水田や耕作放棄水田の活用が求められており,これらは生物多様性保全機能も有するため,自然再生の場としても活用されている.一方,水田や耕作放棄水田が有する多面的機能については評価されてきたものの,機能推定や継続的な維持管理を促すような効果的なモデリングが不足している.本研究では,兵庫県豊岡市を対象として,小河川に残存する霞堤及び耕作放棄水田が有する治水機能を対象として,二次元流況解析モデルを用いて明らかにした例を紹介する.まず,対象流域の河川区間の一部を抽出し,単純化した地形モデルを作成した.そして,対象地で行われている自然再生を実施したと仮定した場合の地形モデルについても作成し,水理計算ソフトであるiRIC を用い,自然再生の強度と出水時のピーク流量低減の関係性について整理した.その結果,短い河川区間であっても,現存する霞堤を活用し,小規模な自然再生を実施することで出水時のピーク流量を低減できることが明らかとなった.本研究で用いた,単純モデルでの定量評価手法や自然再生メニューを用いた定量評価手法は,地域住民にとって理解しやすく,地域住民による流域管理の一助となると考えている.その他講演では,豊岡市内の農地が有する多面的機能や,これらを維持し続けるために必要な農地・耕作放棄水田管理手法についても検討する.


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