| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


自由集会 W29-3  (Workshop)

合成細菌群集から探る種間相互作用の性質
Insights into interspecies interactions from synthetic bacterial communities

*小野大樹(東京大学), 津留三良(東京大学), 古澤力(理化学研究所, 東京大学)
*Hiroki ONO(University of Tokyo), Saburo TSURU(University of Tokyo), Chikara FURUSAWA(RIKEN, University of Tokyo)

生物群集を構成する種の間では、増殖を促進し合う協力や抑制し合う競争といった相互作用が形成される。こうした種間相互作用は、種多様性をはじめとした生物群集の特徴に強く影響することが、多くの理論研究によって示されている。しかしながら、これだけ重要な特徴に影響するにもかかわらず、実際の生物群集は複雑であることに起因して、種間相互作用の実態については未解明な点も多い。一方で、複数の細菌種を人為的に組み合わせて構築する合成細菌群集は、生物群集特有の複雑さを制御しやすく、室内実験による群集レベルの検証を可能にする系として活用されてきた。本発表では、こうした合成細菌群集を用いることの利点を整理し、合成細菌群集を対象に明らかにされてきた種間相互作用の性質について概観する。その上で、細菌の種間相互作用と増殖環境の関係を調べた我々の研究について、理論研究との接続に向けた今後の研究計画を含めて紹介する。さらには、合成細菌群集を対象にした研究の限界を提示した上で、より複雑な生物群集を理解するための展望についても議論を展開する。


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