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一般講演 H1-08

肉食性水生昆虫の野菜生活 1.機構

*宮坂仁,加藤元海(愛媛大・沿岸)

捕食者による餌生物の選択とその切り替えは,生態系の維持や下位の食物網構造に重要な影響を及ぼすことが知られている.理論的には,餌選択は餌生物の利用効率,つまり,外的要因に依存することが知られている.しかしながら,これまでの採餌理論では,餌を捕食するにあたって,捕食者の内的要因である生理学的な活性について考慮はされていない.実際に変温動物では,代謝量と行動の活発さはそのまわりの温度に強く依存することが知られている.低温条件下では,代謝が落ち,高温条件下では捕食可能な餌生物を捕食できないことが考えられる.したがって,本研究では,冬期の低温度条件下において捕食者はすばやい動きを必要としない,植物性の餌を補助的に食べ,それにともない栄養段階が肉食性から雑食性に変化することがあるかもしれないと推測した.野外調査は、本州の多くの河川に分布する捕食性の底生動物であるカワゲラ幼生3種を材料に,胃内容物解析,餌生物の利用効率,生理学的な代謝測定,そして安定同位体解析を用いて,それらカワゲラ3種の食性から季節変化にともなうその栄養段階の変化を検討した.

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