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公募シンポジウム S10

人間活動がもたらす生態系の変化:常識のウソを探る

企画者:椿 宜高(京大生態研センター) 奥田 昇(京大生態研センター)

自然生態系が人間活動によって大きく変化しつつあることは紛れもない事実だろうが、このことが客観的なデータに基づいて語られることは意外に少ない。例えば、地球の温暖化によって生物の北上が起きていると言われているが、説得力のあるデータによって温暖化影響が示された例は少ない。土地開発によって希少生物が減少したとされる場合も、必ずしも信頼できる過去のデータに基づいているわけではない。また、生物の種構成を生態系の健全性を示す指標にすることがあるが、それがどの程度信頼できるものかは曖昧なことが多い。

生態系の保全には、人間活動によって生じている変化を正しく把握する必要がある。このシンポジウムでは生態系の変化を把握するさまざまな手法の理論的基盤と弱点を明らかにし、どのような改善が可能であるかを議論したい。

日本生態学会