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自由集会 W05

ゼロからわかるセイヨウオオマルハナバチ外来種問題

企画者:国武陽子、今藤夏子(国立環境研究所)

ユーラシア原産のセイヨウオオマルハナバチが、2006年9月に外来生物法(通称)の規制対象となる特定外来生物に指定された。本種は授粉昆虫としての有用性が高く、その流通量は1991年に導入されて以来増加の一途を辿ってきた。しかしその一方で、在来生態系に対する撹乱が危惧されはじめ、本種の使用の是非を問う議論が巻き起こった。これらの背景をふまえた上での今回の特定外来生物への指定は、人間の農業活動と生態系保護の両立を図るという究極的命題に対する1つの象徴的な答えといえるだろう。

本集会では、今回の法指定を機に、本問題の歴史を振り返り、この問題に関わった様々な研究を整理したうえで、最近の法律指定の科学的根拠となった研究成果を紹介する。続いて、法律指定に伴う今後の野生化防除に向けて進められている研究や、マルハナバチの利用に関する意識調査に関する研究を紹介する。さらに、在来マルハナバチ種利用が新たにもたらす問題などにもふれ、農業利用と生態系保護の狭間に生じた問題の実際的な解決に、研究者として如何に貢献できるのかを議論したいと考えている。多くの方々の参加をお待ちしています。

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