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自由集会 W25

淡水産外来無脊椎動物の侵入実態と防除に向けた課題

企画者:竹門康弘 岩崎敬二(奈良大学教養部), 佐竹 潔(国立環境研究所生物圏環境研究領域), 西川 潮(国立環境研究所環境リスク研究センター)

近年,日本の淡水域では,ヌマエビ類,ヨコエビ類,プラナリア類,軟体動物,寄生・共生性環形動物,寄生性吸虫類などで新たな外来種が次々に発見され、急速に分布を拡大しつつある.これらの無脊椎動物については,日本生態学会編集の『外来種ハンドブック』に未掲載である上,組織的な情報収集が行われておらず,シンポジウムなどの集会も開催されたことがない.そのため、専門家以外にはその存在さえも知られておらず,誤同定されたり見過ごされたりしている可能性も高い.2004年6月に施行された特定外来生物被害防止法では,淡水産外来無脊椎動物のうち8タクサが特定外来生物に指定されて対策が検討されつつあるが,上記のような新たな外来種は,要注意外来生物リストにも未掲載であり,導入手段の推定やリスク評価・防除のための基礎資料が充分に揃っていない.

本自由集会は,淡水産の外来無脊椎動物の現状をまとめて報告する日本初の試みであり,特定外来生物に指定された種と新たな外来種の現状を対比させながら,移入手段の管理(特に移入される釣餌やペットへの付着・混入),分布拡大の阻止,防除の方策などについて議論する.さらに,淡水産外来無脊椎動物の情報収集・集約や対策の検討を組織的な進めるためのネットワーク構築のきっかけとしたい.

日本生態学会