| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-316

風の流れとオオミズナギドリの移動

*山口まどか(名大院・環境),綿貫豊(北大院・水産),山本麻希(長岡技大・生物),依田憲(名大院・環境)

ミズナギドリ目海鳥類は繁殖中に,繁殖地から遠く離れた海域を採餌場所として利用することがある.日本で繁殖するオオミズナギドリは,育雛中に,繁殖地周辺の海域で採食するとともに,時として700kmも離れた海域まで移動しそこで採食することが知られている.採食海域までの距離の違いによって,餌生物,餌探索行動やエネルギー配分に差があることが報告されている.しかしながら,移動途中の行動についてはよくわかっていない.本研究では,採餌海域までの距離の違いによって,移動・飛翔行動がどのように違うのかを明らかにするために,新潟県粟島で繁殖するオオミズナギドリにGPSデータロガーを装着した.その結果,2008年と2009年の8月19日から9月14日(育雛初期から中期にあたる)にかけて,オス12個体,メス7個体から計53トリップ(それぞれ1〜7日間)について取得した.採餌場所は粟島近海,秋田県近海,北海道近海の3箇所であった.オスはこれら3海域で採餌したが,メスは粟島近海と秋田県近海の2海域でのみ採食した.海上を移動する際,風の流れが強い影響をもたらすと考えられるため,風の流れとオオミズナギドリの移動の経路にどのような関係があるのかを考察する.


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