| 要旨トップ | ESJ59 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


シンポジウム S10 -- 3月21日 9:00-12:00 J会場

レイチェル・カーソン再考―――『沈黙の春』から50年、文学のなかの生態学

企画者: 多田満(国立環境研究所)

『沈黙の春(Silent Spring)』(1962)は、2012年で出版50年になるが、いまなお環境保護論者や野生生物を研究する生物学者のバイブルとして読み継がれている。カーソンは、『沈黙の春』を書いただけでなく、「単独で生きるものは何もない」という考え方を裏づける、生態学という新しい科学の存在を強調した。それはまた、『海辺(The Edge of the Sea)』(1955)をはじめとする「海の三部作」からも読み取ることができる。一方で『沈黙の春』には、「いかに生きていくか」を問うエコロジーの視点がはっきりと現れている。よって、カーソンの作品にみられる生態学の側面とエコロジーの側面から、人間と自然のつながりについて、統合的な見方を環境教育に展開することも必要であろう。本シンポジウムでは、カーソンの作品を読み解き、文学と生態学、環境教育の協働による新たな展開について議論(総合討論)を進めたい。

[S10-1] 趣旨説明 多田満(国環研)

[S10-2] 特別講演 『沈黙の春』の50年―――未来へのバトン 原強(レイチェル・カーソン日本協会関西フォーラム代表)

[S10-3] カーソンの文学(ネイチャーライティング)―――「海の三部作」より 浅井千晶(千里金蘭大)

[S10-4] カーソンの生態学―――『沈黙の春』と『海辺』より 多田満(国環研)

[S10-5] カーソンと環境教育―――カーソンからのメッセージ 石川聡子(大阪教育大)


日本生態学会