| 要旨トップ | ESJ59 企画集会 一覧 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


企画集会 T13 -- 3月20日 15:00-17:00 D会場

親はどこに産卵するべきか:単純なようで複雑な産卵場所選択

企画者: 平山 寛之 (九大・理・生態)

産後に子の世話を行わない動物では、子(卵)の生存・成長は親によって産みつけられた場所に強く依存する。そのため、親は子の生存や成長に適した場所を産卵場所として選択すると予測される。この単純明快な予測は果たしてどれほど正しいのだろうか?また、どれほど実証されているのだろうか?子の生存や成長に影響する要因はエサの量や質、捕食者の有無、競争者の有無といった生物要因と温度や湿度といった非生物要因が混在し、必ずしもそれぞれが両立しないだろう。子の生存と成長に最適な場所は状況依存的に変化しうるものである。また、産卵場所は子の生存や成長に影響するが、それを選択するのは親である。そのため、親の状態や行動によっては、利用可能な場所は実在する範囲よりも制限されている場合もある。逆に、新たな産卵場所(寄主植物など)の出現が起こり、親にとって利用可能な場所が広がることもある。

本集会では卵を産む場所を選ぶという単純な行動の中に実に様々な要因が影響しうることを講演者の方々に紹介していただく。また、これまでの研究で不足していた知見を示すとともに、今後の研究にどのような課題があり、それに対してどのような解決策があるのかを議論したい。

[T13-1] 状況依存的なホオズキカメムシの産卵行動 *中嶋 祐二, 若村 剛, 藤崎 憲治(京大院・農・昆虫生態)

[T13-2] 食植性甲虫類の産卵場所選択:マダラテントウ類を中心に 藤山 直之(北教大・旭川・生物)

[T13-3] 親の産卵選好性と子のパフォーマンスの不一致を導く適応的な意思決定:繁殖干渉を受ける捕食性テントウムシの場合 鈴木紀之(京大農・昆虫生態)

[T13-4] 親の都合が影響するアメンボの産卵場所選択 *平山 寛之, 粕谷 英一(九大・理・生態)


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