| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA2-155 (Poster presentation)

富士山のホシガラスはゴヨウマツを貯食するV:ホシガラスの貯食行動はゴヨウマツの遺伝構造にどのような影響を与えるのか(続報)

*別宮有紀子(都留大), 松木悠(東北大), 黒河内寛之(東大・ア生セ), 陳盈光(東大・農生), 浅川修一(東大・農生), 西教生(都留大), 伊村智(極地研), 練春蘭(東大・ア生セ)

ホシガラスNucifraga caryocatactesは日本の高山〜亜高山帯に生息し、ハイマツPinus pumilaの種子を貯食することでハイマツの種子分散に貢献している。富士山北麓では4〜5合目周辺にホシガラスが生息するが、ハイマツは分布しない。演者らのこれまでの研究によって、富士山北麓のホシガラスはゴヨウマツPinus parvifloraの種子を貯食すること、ゴヨウマツは標高1000m付近から標高2450m(森林限界上部)まで広い標高帯に分布するが、標高が上がるにつれ個体サイズが小さくなり、森林限界上部では貯食起源の稚樹バンクが存在していることがわかっている。双眼鏡による調査では、ホシガラスは標高1000〜2100m付近に点在するゴヨウマツの種子を森林限界上部にまで運び上げて貯食し、その最大散布距離は水平方向に10km、垂直方向に1500mに達すると推測される。これは動物による散布距離としては非常に大きく、ホシガラスの貯食行動はゴヨウマツの分布や更新動態、遺伝構造に大きな影響を与えている可能性がある。

本研究では、富士山北麓のゴヨウマツの集団遺伝構造に対するホシガラスの貯食行動の影響を明らかにするために、標高の異なる4地点;Site-1(2450 m)、Site-2(2150 m)、Site-3(1850 m)、Site-4(1100 m)からそれぞれ90〜180個体の葉サンプルを採取し、マイクロサテライトマーカー13座を用いてジェノタイピングをおこなったので、その結果を報告する。


日本生態学会