| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


シンポジウム S09-1 (Lecture in Symposium/Workshop)

概要説明:理論、実験から現実系へ

森 章(横浜国大・環境情報)

過去20年間以上にわたる研究の積み重ねにより、生物多様性が生産性を中心とする生態系機能を如何に高め得るのかが解きほぐされてきた(Biodiversity-ecosystem functioning)。近年では、種数以外の生物多様性の側面、一次生産以外の生態系機能、ひいては人間社会への恵みとしての生態系サービスにも着目が広がっている。さらには、安定した条件下での生物多様性と生態系機能の関係性の立証だけにとどまらず、環境変動シナリオも考慮されるようになってきている。たとえば、旱魃や洪水などの極端気象の発生が、多様性-機能性の関係性をどのように変化させうるのか/させないのかについても、徐々に知見が集積しつつある。生物多様性と生態系機能/サービスの立証における更なる方向性としては、複数の機能性/サービスを考慮すること、ランラムではない現実の生物種絶滅シナリオを考慮することなどが挙げられる。本講演では、の導入として、生物多様性と生態系機能/サービスの関係性における理論および実験系から得られてきた知見を概説し、これらを元に現実系へどのように応用できるのかについて今後の展望を提示する。


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