| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


企画集会 T04-6 (Lecture in Symposium/Workshop)

日本におけるダンゴムシ・ワラジムシ類の多様性研究の現状

唐沢重考(福教大)

ダンゴムシ・ワラジムシは甲殻類の等脚目ワラジムシ亜目に属す動物の一般名称であり,ワラジムシ亜目は世界から約3700種,日本からは140種ほどが知られているが,日本においては,その学名の取扱いについて多くの問題が残っている.それを踏まえ,講演者は分子データや電子顕微鏡を用いた種分類の再検討を進めているが,その過程で,成長にともなう二次性徴の形態変化が、本グループにおける種分類の混乱を引き起こしている原因の一つであることが分かった.これは分類学だけでなく,生態研究において種同定をする際にも重要な点であるため,楕円フーリエ解析を用いたMongoloniscus koreanusの二次性徴の形態変異を解析した例を基に,本グループにおける種分類・同定の難しさを紹介する.

また,講演者と共同研究者らは、日本産ワラジムシ類の多様性解明の一環として,日本における既発表の分布データベースの作成,および、それらのweb公開の準備をしている.加えて,web入力システムを利用した全国規模での分布調査も目指しており,これらプロジェクトの概要と現状についても報告する.


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