ESJ62 企画集会 T04

企画集会 T04 -- 3月20日 9:00-11:00 E会場

ダンゴムシ・ワラジムシ研究の多様な展開

企画者：唐沢重考（福教大）, 宮竹貴久（岡山大）

ダンゴムシ・ワラジムシは、日本人にとって最も身近な生き物一つであり、インターネットで検索すると膨大な数のヒットがある。しかし、日本における本動物を対象とした学術研究の多くは、その生活史特性や落葉分解に関するものに限られ、これまで盛んに研究が行われてきたとは言い難い。その原因は様々であろうが、その一つに、多くの人が、「誰でも知っている動物だから、もう調べることはないだろう！」と考えていることが挙げられるかも知れない。例えば、日本からこの仲間は100種以上が報告されており、未だにその多様性の実体はほとんど分かっていないが、そんなことを知る人はごく僅かであろう。そんな中、近年、ダンゴムシ・ワラジムシを題材として、認知科学、行動生理・生態学、多様性科学的アプロ―チによる研究が展開されている。

これらを踏まえ、本企画集会では、ダンゴムシ・ワラジムシを題材に様々なアプローチで研究をしている方々に発表をして頂き、日本におけるこの分野の知見を整理するとともに、この動物の研究対象としての有用性・可能性を周知し、この分野の研究の更なる発展に寄与することを目指す。

[T04-1] ダンゴムシに潜む意思決定能　森山徹（信州大）

[T04-2] 同所的に生息するコシビロダンゴムシ科2種のWolbachia感染率と繁殖操作　 *角拓人（岡大院・環境生命）, 澤谷祐輝（岡大院・環境生命）, 三浦一芸（NARO）, 宮竹貴久（岡大院・環境生命）

[T04-3] ダンゴムシがダンゴになれないとき～卵保護のコスト～　 *鈴木誠治（北大院・農）, 二見恭子（長大・熱研・病害動物）

[T04-4] ワラジムシ亜目に対するカスミサンショウウオの餌選択性～外来ワラジムシ類の侵入が林床の捕食者に与える影響～　 *澤畠拓夫（近畿大・農）, 千田海帆（近畿大・農）, 西原奈里子（京都水族館）, 高良真佑子（近畿大・農）

[T04-5] オカダンゴムシの概日リズムと脱皮周期　伊藤遼平（岡山大）, *宮竹貴久（岡山大）

[T04-6] 日本におけるダンゴムシ・ワラジムシ類の多様性研究の現状　唐沢重考（福教大）