| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


企画集会 T09-5 (Lecture in Symposium/Workshop)

植物vs植食者の情報合戦と、進化動態への影響

*入谷 亮介(九大・理・生物)

すべての生物は、種間でも種内でも、様々な情報のやりとりを行ない、それが進化動態におおきな影響を及ぼすことが知られている。ここでの情報の交換とは、いかなるスケールでも、どのような様式であってもよい。一方的な「認識」、「認知」、「学習」、「伝達・伝播」、「シグナル」から、相互的な「コミュニケーション」なども含まれ、「情報」とその「やりとり」と一口に言っても、それは多種多様である。

自然選択とは情報を次世代に伝達する自律的メカニズムそのものであるにもかかわらず、これまでの進化生態学においてはこうした「情報」の「やりとり」は重要視されていなかった。しかし近年になって、情報の種類(Social / Personal Information)や、伝達の様式(斜行・水平・鉛直)が、動植物の表現型可塑性や進化ダイナミクスに重大な影響をおよぼすことが明らかとなり始め、それが生態学・進化学において本質的な役割を果たすことが認められてきている。今回の講演では、こうした「情報の種類」と「伝達様式」とをレビューするとともに、それが進化動態にどのような影響を与えるか、そして動物・植物の相互作用研究においてどのような流れを作り上げるのかをともに考える場を提供したい。特に、数理モデルや理論の現状を俯瞰し、将来の展望を呈示することを目的としたい。


日本生態学会