| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-151 (Poster presentation)

明治時代初期の関東地方土地利用データベースの公開

*岩崎亘典(農環研), デイビッド・スプレイグ(農環研), 藤田直子(九大・芸工), 寺元郁博(農研機構・近中四), 山口欧志(立命館・衣笠)

明治初期(1880年代)に作成された迅速測図原図は,近代化が始まる前の日本の景観や土地利用を評価するために重要な資料である.発表者らが開発した歴史的農業環境閲覧システムでは,迅速測図原図のWeb上で閲覧やGISでの利用が可能となっている.しかし,これらのデータはラスタ形式で提供されているため, 定量的評価が困難であった.そこで迅速測図を元データとし,土地利用データベースを構築するとともに,作成したデータをオープンデータとして公開することとした.

データベースの構築にあたっては,作業を簡便化するために,100m間隔の点データとして作成した.また,複数人での作業を可能とするために,データをPostGISを用いて機能拡張したPostgreSQLサーバーに格納し,QGISのAPIを利用して開発した土地利用入力アプリケーションを使用して入力作業を行った.入力は1/25,000地形図の図郭に相当する標準地域メッシュの2次メッシュ単位で行った.なお入力したデータに基づく明治時代初期の主な土地利用は,森林が約3割,水田と畑がそれぞれ約2割,草地・荒地と村落がそれぞれ約1割を占めていた.

データの公開にあたっては,ソフトウェア開発やデータ公開に用いられるGitHubを用いることとし,PostgreSQLの上のデータをGeoJSON形式のファイルに変換しアップロードした.


日本生態学会