| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-13  (Poster presentation)

サンゴの成長と環境条件の関係

*西山愛理, 三橋水樹香, 南春佳(玉川学園高等部)

【目的】近年石西礁湖やオーストラリアのサンゴが地球温暖化の影響で減少している。玉川学園で飼育しているサンゴを自然界のサンゴよりより成長スピードを早くし、移植することによって減少しているサンゴを復活させることができると考えた。そこで学校で飼育しているサンゴは、塩濃度やカルシウムイオン濃度の変化によって成長率が変わるかという実験を行った。【方法】この実験は塩濃度を1.027(標準)、カルシウムイオン濃度は328ppm、1.022(低い)カルシウムイオン濃度は278ppmと1.029(高い)カルシウムイオン濃度は383ppmでの成長率の比較の実験を行った。またサンゴの最初の重さは大(8.0~9.0g)、中(5.0~6.0g)小(3.0~5.0g)の3つに分けた。この実験ではサンゴの成長は水中重量を測って成長率を調べた。【結果】塩濃度が高い(カルシウムイオン濃度が高い)水槽は大が0.27g、中が0.24gと0.30g、小が0.11gと0.09g大きくなった。塩濃度が標準(カルシウムイオン濃度が真ん中)の水槽は大が0.2g、小が0.11gと0.07g大きくなった。塩分濃度が低い(カルシウムイオン濃度が低い)水槽は大が0.08g、中が0.13gと0.11g、小が0.1gと0.05g大きくなった。この結果から塩濃度を高くすれば成長スピードは早くなるということが考えられる。今回の実験で課題として考えられることが3つある。1つは実験期間が1ヶ月と短かったこと、2つ目は塩濃度が高くした水槽の機械ないに沈殿物質が付着し水が循環しなくなったことでさんごが全滅してしまったこと、3つ目は、水中重量でサンゴの成長率を測定した際に誤差が考えられることだ。今後はサンゴのポリプの数を数えて成長率を測ることをして成長率を測っていきたい。


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