| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-22  (Poster presentation)

コケ植物の最適条件を探る

*吉澤凌, 長尾知哉, 井野元龍成, 入倉侑哉(新潟県立新津高校)

はじめに 「コケ植物はどのような環境要因で住み分けるのか?」「生育に最適な環境を知るにはどうすればよいのか?」その疑問を解決するため、20種ほどのコケ植物が生育する場所で、比較的大きくて肉眼で見分けやすい蘚類のハイゴケ、スナゴケ、ウマスギゴケの3種について、生育環境を詳しく調べ、それぞれのコケ植物の最適要因を解析した。
調査地と方法 調査地は、私たちの高校に近い新潟市秋葉区新潟薬科大学で、海抜約40m、校舎の南端で東西方向の断面、距離は約100m、傾斜は43.9°である。地質は第四紀洪積世の海成赤色粘土層である。東端から西端まで地形や地質は同じだが、三階建て校舎の影になるため、日射や湿度などの微環境要因には違いがあるので、これらの微環境性要因とコケ植物3種の住み分けの関連性を調べるのに適している。斜面の東西方向に沿って地上高1mまでの位置で1m×1mの区画を100個設定し、それぞれの区画について、3種類のコケ植物の被度(面積)と、微環境性要因として、相対照度、表面温度、土壌水分量を7月上旬に、土壌酸性度を11月下旬に調べた。
結果および考察 ハイゴケの被度に関しては、相対照度、表面温度、土壌水分量、土壌酸性度で相関が見られたが、スナゴケ、ウマスギゴケの被度と4つの環境要因とは相関が見られなかった。一方、スナゴケとウマスギゴケの生育区画とそれ以外の区画とで、環境要因を比較したところ、スナゴケは土壌水分量で、ウマスギゴケは相対照度、土壌水分量、土壌酸性度で有意な差が認められた(t検定p≺0.05)。環境要因の測定値は、区画中央で計測したため、3種のコケの生育地点とは若干ずれが考えられるが、ハイゴケの被度については4つの環境要因との関係性が、スナゴケの出現頻度については土壌水分量、ウマスギゴケの出現頻度については相対照度と土壌酸性度、土壌水分量に関係性があるようだ。


日本生態学会