| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


シンポジウム S01-5  (Lecture in Symposium)

ゲノムビッグデータを用いた生態学・進化学研究

*河田雅圭(東北大学生命科学)

 次世代シークエンサーの技術とバイオインフォマティクスの進展によって様々な種類の DNA配列情報が大量に蓄積され、そのスピードは加速されている。これらの情報は、生態学、進化学の研究において、単に多くのデータを提供するというだけでなく、研究アプローチやデータ解析の考え方の転換などをもたらしている。たとえば、環境DNAからの群集解析だけでなく、ゲノム配列を用いた個体数変動推定などは、これまで検出できなかった生物の相互作用や過去の個体数変動の推定など新たな知見をもたらすだけでなくこれまでの生態学調査方法の転換をもたらしている。また、進化学分野でも、大量のゲノム配列データを用いることではじめて明らかになる知見が重要になってきている。また、大量データを用いることで、統計解析手法などの見直しや新たな解析手法が求められている。本発表では、(1)蓄積されつつある配列情報にはどのようなものか、(2) それら大量データをもちいて、生態学や進化学において、どのような新しい研究が可能になってきているか、(3)今後これらの大量データが、生態学や進化学にどのようなアプローチや概念に影響を与えていくのかという点について紹介、考察する。


日本生態学会