| 要旨トップ | ESJ66 自由集会 一覧 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


自由集会 W14  3月16日 17:00-18:30 Room D

大規模長期データからみる日本の森林—モニタリングサイト1000調査15年の成果
Large-scale and long-term data reveal forest ecosystems over Japan– based on 15-years survey in Monitoring Sites 1000 Project

日野貴文(一般財団法人自然環境研究センター), 丹羽慈(一般財団法人自然環境研究センター)
Takafumi Hino(Japan Wildlife Research Center), Shigeru Niwa(Japan Wildlife Research Center)

 モニタリングサイト1000森林調査(モニ1000)がスタートして、15年が経過した。この調査では、日本全国同じ調査手法で、亜寒帯から亜熱帯までの森林タイプを網羅し、樹木、地表徘徊性甲虫、鳥類等のモニタリングが続けられている。
 このような、広域かつ長期にわたって同じ調査手法で観測が続けられていることは、世界を見わたしてみても希少で、得られたデータは、気候変動に対する森林生態系の応答の検証はもとより、生態学の一般理論の検証に耐えうるものである。モニ1000データは順次公開されており、研究者がそれぞれの興味の元に利用可能である。多くの研究者が解析することで、日本の森林生態系に対する理解が進む可能性を持っている。
 今回の自由集会では、このようなモニ1000データの特徴を生かし、15年間の森林生態系の変化、あるいは生態学の中心課題を検証している演者らに、その研究結果を紹介してもらう。そして、大規模長期データだからこそ解明できる生態学的事象を俯瞰し、更なる展望について議論したい。また、このような価値のあるモニタリングを今後も続けていくために、研究者が果たすべき役割についても議論したい。
 講演者のほかに、森章さん(横浜国立大)に、モニ1000データを利用した種多様性に関する研究例を紹介して頂き、データの外部利用者としての意見を頂く。

[W14-1]
全国スケールにおける樹木の直径成長の気象への応答 日野貴文(自然環境研究センター)
Response of tree growth to weather conditions on a nationwide scale TAKAFUMI HINO(Japan Wildlife Research Center)

[W14-2]
全国レベルでの温度勾配に沿った樹種構成の変化 鈴木智之(東京大学)
Directional changes in tree species composition along a temperature gradient in Japan Satoshi Suzuki(Univ. Tokyo)

[W14-3]
多様性と森林生産性の安定性との関係 石原正恵(京都大学)
Relationship between diversity and stability of forest wood productivity in Japan Masae Ishihara(Kyoto Univ.)

[W14-4]
日本の森林における地表徘徊性甲虫群集の変化傾向 丹羽慈(自然環境研究センター)
Changing trends in ground-dwelling beetle communities in Japanese forests Shigeru Niwa(JWRC)

[W14-5]
市民参加のモニタリングでわかってきた陸生鳥類の変化 葉山政治(日本野鳥の会)
Changes in Land birds by monitoring citizen participation Seiji Hayama(Wild Bird Society of Japan)


日本生態学会