| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


自由集会 W06-2  (Workshop)

フィールドミュージアムの「いきもの伝言板」を22年間記録し続けて見えてきたあれこれ
Ecological Knowledge from 22 Years of "Message Board" Record Data at the Field Museum

*白川勝信(芸北 高原の自然館)
*Katsunobu SHIRAKAWA(Geihoku Natural History Museum)

芸北 高原の自然館には、来館者が「その日に見た生物」を自由に記入し、来館者同士が情報交換できる「生きもの伝言板」を設置している。このデータは毎日記録されており、2022年度までに53,222件がデータベースに収録された。これらのデータは学術的な裏付けはなく、そのまま科学的な基礎資料として扱うことはできないが、資料の性質を考慮することで有用なデータセットになり得る。たとえば、植物の開花時期や渡り鳥の飛来時期など、地域の生物季節を知るためのデータになる。一方で、より多くの回数記録された種は、「より多く出現した」ではなく、来訪者が「この地域で何を見たかったのか」を反映していると解釈できる。来訪者による主観を考慮することで、マーケティングに活用できる。本報告では、具体的なデータを示しながら、20年間の記録から見えてきたことを報告する。


日本生態学会