| 要旨トップ | ESJ70 自由集会 一覧 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


自由集会 W06  3月19日 16:30-18:00 Room C

博物館の生態学15 潜在的な生態学的知見を発掘せよ!博物館に集まる情報のもつ価値
Ecology of Museum 15

金尾滋史(滋賀県立琵琶湖博物館), 白川勝信(芸北 高原の自然館), 横川昌史(大阪市立自然史博物館)
Shigefumi KANAO(Lake Biwa Museum), Katsunobu SHIRAKAWA(Geihoku Natural History Museum), Masashi YOKOGAWA(Osaka Museum of Natural History)

博物館では、多くの人が集い、学べる場所として、これまで市民参加型調査などが多く実施されており、いわゆる市民科学の礎が築かれてきた。これらは専門的な研究グループや研究者のみでは入手できないような広域的な情報を同時的に得ることができ、これまでも生物分布の記録やその動態調査と生物多様性保全にも大きな役割を果たしてきた。そのような中、博物館ではこのようなターゲットを絞り、興味のある人が参加した市民参加型調査のみならず、これまでにも大きな自然史情報の発展へ繋がる事例が多く存在している。それは、博物館への質問や来館者からの情報、開催した自然観察会、そしてSNSでの発信などにおいて、これまでの記録が乏しかった生物の分布情報や外来生物の発見情報などの有益な記録である。質問者、観察会参加者、SNSの投稿者にとっては、もともと意図していない情報ではあるが、博物館はそのような情報が最も集まる場所であり、それに科学的な価値づけを行うことで、従来の参加型調査と同規模かつ相乗効果を生む生態学の発展に繋がるのではないだろうか?
そこで、本集会ではそのような参加型調査では収集されていない潜在的な情報が得られる機会として、国内の博物館で行われている「観察会」、「博物館への質問・問い合わせ」、「来館者からの情報」から得られた事例などを紹介し、このような情報が生態学や生物多様性の解明などとしてどこまで利用することができるのか検討する。さらに、その情報を集約する場としての博物館の機能、さらに博物館を基点としてこのような情報をどこまで展開することができるのか、博物館(学芸員)に求められる機能(スキル)や生態「学会」につなぐための可能性について議論したい。

[W06-1]
博物館に集まる・博物館で集める生態学・自然史情報とそのポテンシャル *金尾滋史(滋賀県立琵琶湖博物館)
Ecological and natural history information gathered in museums and its potential *Shigefumi KANAO(Lake Biwa Museum)

[W06-2]
フィールドミュージアムの「いきもの伝言板」を22年間記録し続けて見えてきたあれこれ *白川勝信(芸北 高原の自然館)
Ecological Knowledge from 22 Years of "Message Board" Record Data at the Field Museum *Katsunobu SHIRAKAWA(Geihoku Natural History Museum)


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