| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


自由集会 W09-6  (Workshop)

外来種防除の技術的課題の解決に向けて~オオヒキガエルの事例から
Toward solving technical problems in the control of invasive alien species - a case study of the cane toad

*原村隆司(酪農学園大学)
*Takashi HARAMURA(Rakuno Gakuen University)

本発表では、特定外来生物オオヒキガエルの防除・駆除法の開発に関する基礎研究の必要性を、現在最もオオヒキガエルの研究が進んでいるオーストラリアの例を中心に紹介する。オオヒキガエルは、もともと中南米に生息していたが、サトウキビ畑の防虫駆除として1930年頃に世界中に移入され定着した。日本でも小笠原諸島や石垣島、南・北大東島に定着している。オーストラリアでは、現在もオオヒキガエルは生息場所を拡大しているが、シドニー大学(現マッコーリー大学)のRick Shine教授の研究グループを中心に、オオヒキガエルの生態や行動を利用した防除法の開発が進められている。オオヒキガエルが持つ生態や行動を利用した防除法は、オオヒキガエルの個体数を減らしたり、在来種を守るために効果的な手法ではあるが、開発された防除法をどのように長期間継続して行なっていくのかが、今後の外来種防除・駆除を進めていくうえで重要な課題となる。本発表では、このような点に関しても議論していければと考えている。


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