| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


自由集会 W20-3  (Workshop)

ツヤケシオオゴミムシダマシのオス間闘争:敗者のリスク【B】
Male-male combat in Zophobas atratus: The Loser's Risk【B】

*松浦輝尚, 宮竹貴久(岡山大院・環境生命)
*Teruhisa MASTUURA, Takahisa MIYATAKE(Okayama univ.)

ツヤケシオオゴミムシダマシのオス間闘争:敗者のリスク
〇松浦輝尚(岡山大院・環境生命)・宮竹貴久(岡山大院・環境生命)

ダーウィンが性選択の理論を提唱した頃から多くの性的二型やオス間闘争が観察され、研究されてきた。本研究で扱うツヤケシオオゴミムシダマシ(Zophobas atratus)ではオス間闘争時に大顎でライバルオスの後脚を積極的に咬む行動が観察されている(松浦、未発表)。この脚咬み闘争で敗北したオスでは未闘争オスと比べて、メスとの交尾の際に自身の交尾器を上手く挿入できない行動が観察される。そこで本種の脚咬み闘争は単に闘争の勝敗を決定するだけでなく、闘争後における敗北オスの繁殖上の適応度を減少させる効果もあるという仮説をたて、勝利オス、敗北オス、未闘争オスの交尾器挿入時間、各オスと交尾したメスの産卵数、孵化数を比較し、仮説の検証を行った。また、脚咬み闘争を行う種の性的二型は私が知る限り調べられていなかった。よって性的二型と仮説の検証結果を合わせ、なぜ本種で後脚を咬む闘争スタイルが進化したのか考察を試みた。


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