| 要旨トップ | ESJ58 企画集会 一覧 | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨


企画集会 T01 -- 3月8日 14:15-16:15 A 会場

ヒグマ出没の裏を読み解く-森とクマと人と-

企画者: 間野 勉(道総研環境研セ), 長坂晶子(道総研林業試)

ヒグマは北海道の豊かな自然環境を象徴する野生動物だが、本州におけるツキノワグマと同様、近年人間活動とのあつれきが社会問題となっている。特に、農地に出没し農作物を食害するクマは増加の一途をたどっており、効果的な防除法の確立・普及が喫緊の課題である。ヒグマの出没と被害の発生には様々な要因が関与していると予想され、要因解明のためには多角的なアプローチが必要と考えられる。こうした背景から、演者らは、北海道渡島半島を研究フィールドに、ヒグマの個体群動態、景観生態学、堅果類の豊凶といった各々の視点を持ち寄り、共同研究を実施してきた。本企画集会では、共同研究で取り上げた3つの視点: ①近年ヒグマの出没が増えているのは、生息数が増加しているからなのだろうか?②ヒグマの農地への出没にはどのような土地利用パターンが関与しているのか?③クマの出没にはブナ・ミズナラなど堅果類の豊凶が影響すると言われているが、ヒグマに関してはどうなのだろうか? を軸に、この問題への知見の集積を図ると同時に、コメンテーターとして、佐藤喜和(日本大学)、森本淳子(北海道大学)両氏を予定、浦幌、知床半島といった北海道の他地域での研究例についても紹介してもらい、議論を深めていきたいと考えている。

[T01-1] 渡島半島地域におけるヒグマ捕獲数の長期データから見た行動の変化 間野 勉(道総研環境研セ)

[T01-2] ヒグマの被害を受けやすい農地の立地条件:渡島半島森町の事例から 長坂晶子(道総研林業試)

[T01-3] ブナ・ミズナラの豊凶とヒグマ出没との関係 今 博計(道総研林業試)

[T01-4] ヒグマによる農作物への食害とその発生要因:富良野市および浦幌町における事例から 佐藤喜和(日大生物)

[T01-5] 有害駆除が発生するエコトーン:知床地域の事例 森本淳子(北大院農)


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