| 要旨トップ | ESJ58 企画集会 一覧 | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨


企画集会 T10 -- 3月9日 9:30-11:30 E 会場

博物館の生態学7 -生物多様性保全のシンクタンクを目指して-

企画者: 井上雅仁(島根県立三瓶自然館), 橋本佳延(兵庫県立人と自然の博物館)

自然環境や生物多様性の保全に対する民意が成熟しつつある今日,様々な課題や事業に生態学の研究者が携わる場面は増える一方である.研究者に期待される内容は,野生生物の保護や外来種対策,地域の自然環境に関する啓発などの課題解決から,レッドリストの作成や生物多様性地域戦略の策定などの政策提案まで様々である.生物多様性基本法による地域戦略策定の努力義務,COP10の開催などの後押しもあり,これらシンクタンク事業の展開に生態学研究者の役割は重要度を増すことが予測される.自治体や市民から,大学,研究機関,博物館などに寄せられる要望には,各機関に所属する個々の研究者が対応することになるが,こうしたシンクタンクとしての活動を機関の重要な事業として位置付けたり,あるいは組織化したりする動きが博物館にみられる.本集会では,博物館をはじめとして,生態学の研究者が携わったシンクタンク事業を紹介しながら,研究者や研究機関が社会にもたらすことのできた効果について検証したい.その上で,今後,シンクタンクとして自治体や企業,市民に対峙するときの望ましい関係性や望まれるスキルについて考察したい.

コメンテータ:梶 光一(東京農工大学)

[T10-1] 趣旨説明-博物館に舞い込む生物多様性保全の相談ごと- 井上雅仁(島根県立三瓶自然館)

[T10-2] 社会と生態学の接点に身を置く博物館のシンクタンク機能-人と自然の博物館の事例- 橋本佳延(兵庫県立人と自然の博物館)

[T10-3] 千葉県の生物多様性保全関連施策における千葉県生物多様性センターの役割-とくにイノシシ,シカ,サルなどの保護管理施策を中心に- 浅田正彦(千葉県生物多様性センター/千葉県立中央博物館)

[T10-4] 生物多様性関連保全施策において地域の小規模博物館・研究者に期待される役割-北海道における現状と可能性- 渡辺 修(さっぽろ自然調査館)


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