| 要旨トップ | ESJ60 企画集会 一覧 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


企画集会 T05 -- 3月6日 14:30-16:30 E会場

個体の視点から構成する空間個体群動態

企画者: 高須夫悟(奈良女子大・理)

生態学において空間構造の重要性が広く認知されるようになって久しい。しかし、空間構造がもたらす効果の理解は実証・理論の両面においても十分とは言いがたい。本企画集会は、個体の視点から空間個体群動態を理解する試みについて以下の3つの論点を軸として話題を提供し、参加者を交えて議論する場を提供する。

1)空間分布と個体群動態モデル

個体間の資源競争に基づき、個体群動態モデルを第一原理的に導出することが可能であるが、個体分布の集中度や種間の空間的相関はどのようにモデルに反映されるのだろうか?

2)個体ベース空間個体群動態モデルにおける二つのアプローチ

離散空間としての格子モデルでは、ペア近似による数理的な取り扱いが可能であり、個体群密度、平均混み合い度、などが数理的に記述できる。クラスターサイズなどのより一般的な量の評価は可能なのか?一方、連続空間上の個体群動態は、個体群密度、ある距離だけ離れたペア密度、などに注目したモデルとして記述できる。このような、点パターンとしての個体分布をモーメントの観点から捉える手法は、格子モデルのペア近似とどのような関係にあるのか?

3)個体の空間分布データから得られる情報

連続空間上の個体の空間分布は点過程という確率過程で表現される。点過程モデルは、実データに適用してパラメータを求めたりAICでモデル選択する統計モデルの側面も有する。実証データとモデルをどうつなぎ合わせるのか?

[T05-1] 個体群動態モデルの第一原理導出 穴澤正宏(東北工業大学・工)

[T05-2] 離散空間上の個体ベース個体群動態 佐藤一憲(静岡大学・工)

[T05-3] 連続空間上の個体ベース個体群動態 高須夫悟(奈良女子大学・理)

[T05-4] 個体の空間分布:数理モデルとデータ科学の狭間を歩む点過程 島谷健一郎(統計数理研究所)


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