本研究では撹乱の時空間パターンと植物個体群における個体間相互作用との関連を調べる。モデルには仕組みを理解し易い格子モデルを利用する。各個体の基本成長をロジスティック型とし、個体間相互作用には固着性生物である植物特有の2個体間の非対称性を考慮する。枯死率は個体間競合の結果算出される相対成長率の関数とする。さらに個体群における火災モデルによる撹乱を考える。火災モデルは各格子点において確率で発火、延焼する。複数のパラメータセットで火災モデルを実行した結果、火災による延焼でできた比較的大きいギャップと競争によってできる小さいギャップが発生し、ギャップサイズの二分化を起こす。しかし、競争が強くなるほど競争によるギャップが出来、これは火災による延焼の拡散を防ぐ。この結果全体の累積ギャップサイズ分布が直線的になり、べき分布に近づいた。加えて非対称性が強い個体群の方がファットなテイルを持つことが示された。講演では競争の特性によって火災による撹乱の結果がどの様に変化するか言及する。