| 要旨トップ | ESJ67 自由集会 一覧 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


自由集会 W12  3月4日 18:45-20:15 Room I

生態系サービス森林認証の概念と課題
Concept and challenges of the forest certification for ecosystem services

北山兼弘(京都大学・農・森林生態), 大沼あゆみ(慶應義塾大学経済学部), 柘植隆宏(甲南大学経済学部), 澤田佳美(京都大学・農・森林生態)
Kanehiro KITAYAMA(Forest Ecology, Kyoto Univ.), Ayumi ONUMA(Faculty of Economics, Keio Univ.), Takahiro TSUGE(Faculty of Economics, Konan Univ.), Yoshimi SAWADA(Forest Ecology, Kyoto Univ.)

生物多様性保護や炭素貯留などの森林生態系サービスは、往々にして広い範囲の人々に恩恵をもたらす。このため、広範囲の人々が生態系サービスへの支払いに参加し、森林保全を支援する仕組みが求められてきた。そのような時代的な要請を受けて、FSC(森林管理協議会)は、新たな制度として、生態系サービス森林認証を2018年に開始した。FSC森林認証は既に世界中に浸透している認証制度であるが、新制度ではさらに森林が持つ5つの生態系サービス(炭素貯留、生物多様性保護、水源涵養、土壌保全、レクリエーション機能)を量的に評価し、それらの維持効果を科学的に証明することが求められる。これらの生態系サービスが劣化することなく維持されていると、新たな認証が発行される仕組みである。これにより森林管理者は生態系サービス効果を謳うことが許され、市場において生態系サービスへの支払いを利用することが可能となる。この新たな制度により、より多くの利害関係者が森林保全(特に国境を越えた熱帯林の保全)に参加することが可能となり、森林保全が進む、と期待されている。そこで、本自由集会では、FSC生態系サービス森林認証の概念と仕組みを紹介し、生態系サービス森林認証が社会に浸透していくために解決しなければならない課題について討論したい。

[W12-1]
FSC生態系サービス森林認証の概念 *北山兼弘(京都大学)
Concept of the FSC forest certification for ecosystem services *Kanehiro KITAYAMA(Kyoto Univ.)

[W12-2]
インドネシア熱帯木材生産林におけるFSCのパイロット試験の結果 *澤田佳美(京都大学)
A pilot test of the FSC forest certification for ecosystem services in an Indonesian tropical production forest *Yoshimi SAWADA(Kyoto Univ.)

[W12-3]
森林の生態系サービスに対する消費者の意識:コンジョイント分析の結果について *柘植隆宏(甲南大学), 大沼あゆみ(慶應義塾大学)
Consumers' willingness-to-pay for forest ecosystem services: results of a conjoint analysis *Takahiro TSUGE(Konan Univ.), Ayumi ONUMA(Keio Univ.)


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