| 要旨トップ | ESJ67 自由集会 一覧 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


自由集会 W21  3月7日 18:45-20:15 Room F

昆虫の多様な性差を生み出す遺伝的基盤
Genetic basis yielding diverse sexual differences in insects

高橋迪彦(東北大学大学院生命科学研究科)
Michihiko TAKAHASHI(Graduate School of Life Science, Tohoku Univ.)

約100万種が生息する昆虫では、生物界で最も多種多様な形質が見られると言える。その中でも繁殖戦略に伴う雌雄で異なる方向への進化は、目を引くものがある。昆虫の性差は、色や形、行動など多様な形質が種独自に進化しており、進化学、生態学的に非常に興味深い。以前から繁殖戦略の生態学的意義が研究される一方、近年の解析技術の向上により非モデル昆虫においても性差にどのような遺伝子が関わっているかが明らかになってきている。特にdoublesex遺伝子は昆虫において性を決める重要な遺伝子であるが、同じdoublesex遺伝子でも種によって機能は多様である。そこで今回はさまざまな分類の昆虫の性差について遺伝的な解析を行なってきた研究者に講演していただき、昆虫の性の面白さを共有、議論したい。
コメンテーター:新美輝幸

[W21-1]
ショウジョウバエの性決定遺伝子から迫る配偶行動の種特異性を生みだす神経機構 *田中良弥(名古屋大学), 樋口智大(東北大学, 未来ICT研究所), 古波津創(未来ICT研究所), 栗崎健(杏林大学), 山元大輔(未来ICT研究所)
The molecular and neural basis for species-specific mating behavior in Drosophila subobscura *Ryoyo TANAKA(Nagoya Univ.), Tomohiro HIGUCHI(Tohoku Univ., NICT), Soh KOHATSU(NICT), Takeshi KURISAKI(Korin Univ.), Daisuke YAMAMOTO(NICT)

[W21-2]
膜翅目昆虫で進化した複数の初期遺伝子で制御される性決定機構 *宮川美里(宇都宮大学), 土田浩治(岐阜大学), Alexander MIKHEYEV(OIST), 宮川一志(宇都宮大学)
Evolution and molecular mechanism of multi locus sex determination system in Hymenoptera *Misato Okamoto MIYAKAWA(Utsunomiya Univ.), Koji TSUCHIDA(Gifu Univ.), Alexander MIKHEYEV(OIST), Hitoshi MIYAKAWA(Utsunomiya Univ.)

[W21-3]
アオモンイトトンボの雌特異的な色彩多型におけるdoublesex遺伝子の役割 *高橋迪彦(東北大学), 奥出絃太(産業技術総合研究所, 東京大学), 二橋亮(産業技術総合研究所), 高橋佑磨(千葉大学), 河田雅圭(東北大学)
The role of doublesex gene for female-limited color polymorphism in Ischnura senegalensis *Michihiko TAKAHASHI(Tohoku univ.), Genta OKUDE(AIST, Univ. of Tokyo), Ryo FUTAHASHI(AIST), Yuma TAKAHASHI(Chiba univ.), Masakado KAWATA(Tohoku univ.)


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