日本生態学会

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第16回(2011年) 生態学琵琶湖賞授賞講演要旨

岩田久人(愛媛大学 沿岸環境科学研究センター)

「環境汚染物質と野生動物ーリスクを評価する方法ー」

 野生動物の個体数減少や奇形発生の原因として、化学物質による環境汚染の影響が指摘されているが、多くの種について適切なリスク評価は実施されていない。リスク評価が困難な理由として、野生動物の試料が容易に入手できないこと、化学物質に対する毒性発症の感受性に種差が存在することが挙げられる。

 我々は、野生動物の細胞内受容体や異物代謝酵素の機能に着目し、化学物質の感受性差および生態リスクをインビトロ系で評価することを試みてきた。本講演では、ダイオキシン類のリスク評価に関する我々の最近の成果について報告する。こうした研究で確立される方法は生態影響試験の標準化・高度化に応用できる。

沖 大幹(東京大学 生産技術研究所)

「地球をめぐる水と水をめぐる人々」

 水は、生物としてのヒトの生存に不可欠であるのみならず、健康で文化的な生活を維持するためにも、そして、日々摂取する食料の生産のためにも大量に必要です。現代の豊かな我々の生活は、どういう地域のどんな水源の水に支えられているのでしょうか。そして、その水源は持続可能なのでしょうか。人工衛星からの遠隔測定や、数値シミュレーション技術などによって、明らかになってきたその実態と今後の見通しを紹介します。

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