日本生態学会

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会長からのメッセージ -その13-

「日本生態学会の法人化について」

日本生態学会員の皆様

 当会は任意団体であり、法人格を有していません。政府方針として、学会の法人化が促されており、すでに多くの学会が法人化されています。当会でも菊澤会長時代に法人化ワーキンググループ(以下、法人化WG)が作られ、2008年に一般社団法人日本生態学会の定款案が作られ、以下のサイトに公表されました。
http://www.esj.ne.jp/esj/Info/houjin/2008teikan.html

 しかし、当時は法人化する学会が少なく、雑誌や大会が課税対象になる可能性もあるなど、不確定要素が大きかったため、いったん見送ることにしました。

 それから5年がたち、上記の懸念もほぼ払拭され、多くの関連学会も法人化、またはその準備中です。当会でも1年前から高田前幹事長の下、法人化前に整えるべきことを実行してまいりました。

 来る生態学会静岡大会の際に、全国委員ならびに全会員の皆さんに、ほとんど上記定款案に沿った方向で、以下のように、法人化の提案をさせていただきます。

  1. 3月の総会後に法人化WGを結成し、以下の方針の下で、今後の法人化手続きを一任させてください。WGメンバーは総会の場で提案いたします。
  2. 総会後のできるだけ早い時期に、改めて検討した定款案をウエブ上に公開し、会員の皆さんからのご意見をいただく期間を数ヶ月間もうけ、年末までに定款案を確定します。
  3. 今秋の全国委員および次次期会長選挙を、法人化後の代議員および次次期理事長(会長)候補とする前提で行います。
  4. 年末頃に現在の執行部のうち少人数を設立時社員として法人の登記手続きを行います。そのうえで、設立時社員による臨時総会によって、先の選挙で選ばれた新全国委員を代議員(すなわち社員)として決定します。
  5. 来年早々に次期会長、幹事長、幹事および新全国委員、新常任委員からなる設立総会を開催します。
  6. 来年3月の広島大会で、任意団体としての生態学会の解散を決議します。それまでは任意団体が生態学会を担うことになりますが、来年1月からは全国委員は法人の社員として活動します。
  7. 学会の法律上の構成員は全国委員と常任委員であり、学会長(理事長)は社員総会(全国委員会)で選びますが、これまでどおり、総会は学会員全員が平等の権利を有し、全学会員の投票による次期会長選挙も実施します。

 昨年、法人化を検討する際にはNPO法人も検討しました。しかし、NPO法人は代議員制度になじまず、約4000人の会員を社員とすると、委任状を含めたとしても社員総会を成立させることに多くの労力を払う恐れがあることがわかりました。また、学会という性質上、社団法人のほうが望ましいという意見もあり、旧来の方針通り、一般社団法人を目指すこととします。また、将来は公益社団法人を目指すことも考えられますが、任意団体からいきなり公益社団法人になることはできません。

 地区会についても原則として従来どおりとします。定款には書かないほうが得策と判断しましたが、法人の地方組織として存続し、地区会長や地区大会も従来どおり行うことが可能です。ただし、経理については地区ごとに設定した地区会費とともに学会事務局に提出し、一括して監査を受けることになります。

 法人化後は、法律上の規定により、役員を理事などの呼称に改めます。特に従来の会員は法人の法律上の構成員ではなくなり、全国委員が代議員となり、代議員と役員が法律上の社員となります。この点はわかりにくくなりますが、極力、今までと同じ運営体制を維持できるように工夫したつもりです。

 また、代議員の人数、地区会の記述など、上記定款案から若干変更を提案したい部分もあります。これらは一任させていただきたいですが、引き続き、会長からのメッセージおよび定款改定案に注目いただければ幸いです。

2013年3月1日 日本生態学会会長 松田裕之
3月5日一部訂正

【参考】
定款案(2008年2月)」
法人化に向けて(2008年2月)」
日本生態学会の法人申請延期について(2009年1月)」

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