日本生態学会

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会長からのメッセージ -その9-

学会のアジェンダとダイバーシティ推進宣言

 皆さんは、日本生態学会の活動方針を記した「アジェンダ」があることをご存知ですか? これは学会の憲法とも言うべきもので、様々な活動を行うことの根拠となっています。この度、2015年以来、9年ぶりのアジェンダ改訂が総会に提案されます。改定の理由は、ここ10年ほどの急速な社会情勢の変化を受け、学会も様々な取り組みを行ってきたことにあります。具体的には、新たにオープンサイエンス、およびダイバーシティとインクルージョンの推進が盛り込まれています。また、3誌合同出版に伴い、EcologicalReseachに限定した記述から、国際学術雑誌の刊行、に文言を変更しています。パンデミックも落ち着きを見せたいま、日本生態学会も国内外に力強く存在感を示すことが期待されます。

 また次の総会では、新たにダイバーシティ推進宣言も提案されます。この宣言は、多様性の尊重、公平な機会の提供、包摂的な参加、理解の促進、の4項目から構成されています。宣言の下案は、キャリア支援専門委員会の方々が2年ほどかけて作成されました。昨年、日本生態学会が男女共同参画学協会連絡会の監事学会を務め、シンポジウムを成功裏に収めた実績からしても、時宜を得た提案といえるでしょう。ダイバーシティ推進宣言はアジェンダとは異なり、全く白紙の状態から作成されました。その内容については、執行部や理事会、キャリア支援委員会の間で、何度も意見交換をしました。作成にご尽力いただいた方々に改めて御礼申し上げます。日本生態学会は以前から、比較的風通しがよくダイバーシティにも配慮された学会でしたが、これを機により一層、多様な視点からの活動が推進され、男女共同参画が進むことを祈念しています。

上記2つの提案は、横浜大会の総会で決議されれば、すぐにでも学会ホームページに掲載される予定です。学会活動にとって非常に重要な文書ですので、一人でも多くの会員の皆さんにお目通し頂ければ幸いです。

2024年2月21日  会長 宮下 直

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